営業組織を大きくする考え方②
こんにちは。
伊藤尚希です。
今回は前回の①に引き続き営業部を大きくする考え方をお伝えできたらと思います。
⑤苦手なことを克服させるのは時間の無駄
面接をしているとはいえ、必ずしも元々のやり方がしっくりくる人が入社してくるかといえば、そうでない場合の方が多いと言っていいでしょう。
そして、元々のやり方を何度も何度も繰り返し教えても必ずしもできるようになるかというと、できるというレベルになる人はほとんどいません。
これって実は当たり前だと気付いている人はどの程度いるでしょうか?
やり方を考えた人は一人かせいぜい二、三人、十人十色という言葉があるように、十人いれば全員が違う特性を持っているのに数人を基準としたやり方に合う人を探すことの方が無理があります。
自分の得意としていない苦手なことをしつこく教えられて伸びる人などいません。
これを甘えと捉える人がいるようですが、それこそ合理的ではありません。
自分はできるのか?と考えていないから甘えと捉えるのです。
仕事でなくてもいいですが、スポーツや芸術、エンタメなど、自分が苦手としていることをしつこく教えられてみれば分かるでしょう。
本当に苦痛で、成長も遅く、楽しくないです。
それは甘えでしょうか?違いますね。適正や特性というものに近いのです。
合理的に物事を考えるとはこういうことです。
ということは、逆のことをすればいいということになりますね。
そう、苦手なことを避けて、得意なことを複数見付けてそこを掛け合わせて伸ばすのです。
これも綺麗事だとかいう人がいますが、それこそ合理的判断ではありません。
得意なこと好きなことというのは、伸び代があり、成長速度が速く、モチベーション維持が容易です。
合理的過ぎて逆に胡散臭く見えるほどです。
苦手なことを克服するなど良いことが一つもありません。
時間の無駄だと気付きましょう。
まず時間を使うべきは得意を伸ばすことだという考え方を持ってください。
⑥できた人たちのノウハウを蓄積する
⑤でお伝えしたようにそれぞれが得意を掛け合わせて伸ばすことができるようになると、そこにはノウハウが蓄積していきます。
十人十色ではあるので、ピタリとはまるノウハウを作るのは困難です。
とはいえ、数人で作った訳ではないので、近いノウハウを選ぶことができるようになっています。
真逆だと受け入れるのは厳しいですが、方向性が同じならば受け入れやすいですね。
すでにあなたの会社には複数のノウハウが蓄積されているので、どれかには近い可能性が高くなっています。
面接でおおよその選別さえできていれば、後は複数のノウハウがあり、そのノウハウを作った人間がいます。
その人達は多様性の偉大さをすでに知っています。
マネジメントの基礎はできていると言っても過言ではありません。
経営者や上位役職者が目を光らせる必要性もなく、勝手にそれぞれが育成を請け負ってくれるでしょう。
できた人たちは会社にとっての宝です。
そのノウハウを有効活用する考え方を持ちましょう。
⑦マネージャーとメンバーの関係をはっきりさせる
非常に簡単に言ってしまうと、⑥で近い人がマネジメントをし始めた後に他の人が口や手を出すな。ということです。
これはマネージャーの上の役職者もです。
例えば、育成しているマネージャーを飛ばして経営者がメンバーに育成指示をする。なんてことをしてはいけません。
マネージャーがやりにくい、メンバーが混乱する、信頼関係が崩れるなどなど、悪い効果しか発揮しません。
良かれと思ってやっていても同じです。
余計なお世話になってしまっています。
もし、何かどうしても言いたいことがあるなら、直接育成しているマネージャーに相談の上で、マネージャーから話をしてもらいましょう。
自分の方が役職が上なのに、自分が経営者なのに、というのは通用しません。
あくまで全ては育成されている人がやりやすいようにするのが最優先だという考え方を持ちましょう。
⑧退職を容認する
ここまででほぼ自動的に会社が大きくなる素地はできあがっています。
最後に退職を変に引き止めないということです。
せっかく育成してきた人が会社を退職したいと言い出した時、引き留めたくなるのは非常に分かりますが相手の為になっているのなら容認するという考えを持ってください。
理由は大きく分けると二つあります。
- 様々な経験をして戻って来る可能性がある
- ビジネスの種になる可能性がある
数多くの企業を見てきましたが、この二つはあるあるです。
優秀な人材が、より優秀になって帰って来て会社に貢献しているのも多く見ていますし、会社は離れてしまったが、その後ビジネスパートナーとして良好な関係を続けているのも本当に良く見ます。
ただ、どちらにも言えるのは良い関係性であることです。
変に引き留めたり、裏切りだと罵ったりなどをして心証が悪くなっては目も当てられません。
退職は新しい環境への船出だと捉え、気持ち良く送り出してあげるという考え方を持ってください。
まとめ
二回に渡ってお送りして来ましたが、いかがだったでしょうか?
今まで見て来た会社とは違うと思った人も多いかも知れません。
そうです。
逆に言うと今までと同じで良い訳がないのです。
日本は独特で、欧米型の大量採用大量解雇ができるジョブ型はできません。
とはいえ、優秀な人材はどんどんと流動性が高くなっています。
ではどうすれば良いのか?
まず相手に求めるのではなく、自社が優秀な人材が働きたい環境を作るということです。
優秀な人材が働きたい環境とはどんな環境でしょう?
優秀な人材が育つ環境です。
自分も成長できると思えば優秀な人材は集まります。
しかし、逆に優秀な人材を育てられない企業は、優秀な人材から流出することになります。
こうなってしまっては営業組織を大きくするどころではなく、会社存続の危機です。
営業組織を大きくするのは、秀逸なテクニックでも有名企業のノウハウでもありません。
本当に大切にしないといけない考え方を身に付けて、張りぼてではなく、本当の意味で営業組織を大きくしていきましょう。