営業組織を大きくする考え方①

こんにちは。
伊藤尚希です。

今回は会社にとって非常に重要なスケールの仕方について二回に分けてお話をしたいと思います。
特に売るという行為は営業部が担います。
そこが大きくならなくてはスケールしようがありませんので、営業部を大きくする考え方についてとなります。

①頑張っているか(見え方)で判断しない

実は私が二社目で前年比110%強を三年連続続けていた時、営業行為としては他の営業の三分の一(2~3時間/日)ぐらいしかしていませんでした。
では、何をしていたのか?
どうすればより効率的で生産性の高い営業を実現できるかを考えて、それを言語化していました。
一見サボっているように見えますが、言語化までしているので、同じと言わないまでも近いことを誰でもができるようにしていたのです。
私の場合ですが、これによって何をしたかったかというと、あまり干渉されないようにしたかったのです。

私のこれは一例ですが、成果を出す人間が全員同じような待遇を望んでいる訳ではありません
その人に応じた対応をしなければ、成果を出せる人間から去って行きます。
他の会社でも通用するので当然の話ですね。

そして、重要なのは簡単に成果を出す優秀な人ほど頑張っているようには見えないということです。
とすれば、上記したように周りのモチベーションを著しく下げるような言動がない限り、その人に応じた待遇にしておくのが最善です。
そもそも仕事ができる人は周りにも悪影響を与えることは少ないです。

会社が得をしている限り放置で大丈夫だという考え方を持ちましょう。

②できる人のスキルを上げるより、普通の人とできない人のスキルを上げる

できる人を10に上げるより、できない人と普通の人を5~7にする方が数の論理で圧倒的に成果は出るのです。
働き蟻の法則というのをご存じでしょうか?
[よく働く][普通に働く][働かない]が2:6:2になるという法則です。
これを見る限り、10を最高とした場合に10人中10になれるのは2人しかいません。

単純に[よく働く]を10[普通に働く]を5[働かない]を0として計算すると50になりますね。
では、[よく働く]を8[普通に働く]を6[働かない]を2にするとどうでしょう?
答えは56です。
小学生でもできる算数ですが、これを分かっていないマネージャーは非常に多く、ついついできる人を10にしようと突っ走ってしまう訳です。

さて、こうなると何が発生するのか?
できる人は待遇がよくなるかも知れませんが、圧が高まり、退職のリスクが高くなります。
普通の人とできない人は放置気味になり、モチベーションが低下、スキルも上がらない。
しかし、できる人より他社で通用する可能性が低いので退職はしない。
結果、できる人は会社を去り、そうでもない人達だけが会社に残るのです。

できる人には高待遇を与え、ある程度自分の裁量で動いてもらい、そこに割いていたリソースを普通の人とできない人がスキルを上げる為に使うという考え方が正しい営業組織の構築です。

③できる人は役職ではなく報酬を払い、役職者にはチャラめで責任感がある人を就ける

上記した2割のできる人はどちらかというと天才肌の人が多く、人にものを教えるのが苦手な人が多いです。
本人は気付いていないことがほとんどですが、できる人がマネージャーとしては三流というのはよくある話。
では、どのような人がマネージャーとして適正なのか?
実はチャラめな人が適性が高いと考えられます。
理由は下記。

  • コミュ力が高い
  • 報連相などがマメ
  • 他人からの見え方に敏感
  • 盛り上げ上手
  • 褒め上手

マネージャー向きの適性をすでに備えている場合が多いので、後は責任感を持ってもらえば良いマネージャーの出来上がりです。
もちろん、後天的に身に付けてもいいので決め付けは良くないですが。

できる人にはお金などの報酬を、チャラめな人に役職を与え、全体として質が高くなるような考え方が非常に重要です。

④企業理念やビジョンより、あくまで自分の為に働いていると認識してもらう

会社の理念やビジョンと同じ方向を向いているのが一番いい状態というのは大前提ですが、社員が必ずしも会社と同じ方向を向いているとは限りません。
というより、人が増えれば増える程それぞれの働く意味は違ってきます。
同じ方向を向いてくれる人だけが入社してくれるのが理想ですが、人材不足と言われて長い日本でそんな甘い考えは通用しないでしょう。
とすれば、社員一人一人が働く意味に対して会社が近付いて行く方が簡単です。
そんなことだけで、モチベーション高く、個性を活かして最高のパフォーマンスを発揮してくれるなら、いくらでも近寄ってあげましょう。
そこに納得感を持たせるのがマネージャーの腕の見せ所です。

帰属意識などという曖昧なものは時間と共に変容します。
そんなものに依存してしまっていては組織を強くすることなどできません。
自分の為というエネルギーが一番モチベーションなのです。

あくまで自分の将来の為に働いているという意識が大切だという考え方でマネジメントは行いましょう。

次回、⑤⑥⑦⑧とご紹介したいと思います。
お楽しみに!