営業パーソンがはまる再現性の勘違い

こんにちは。
伊藤尚希です。

今回はよく話題に上がる再現性というテーマについてお話していきたいと思います。
再現性が大事だと思っているならば勘違いしている可能性があるので、ご一読いただければ勘違いしたままチームビルディングをしなくて済むかもしれません。

再現性の勘違い

ほとんどの企業では再現性を上げる為にマニュアルやテンプレなどを作り、初動から結果までを細かく作り込んでいると思う。
しかし、これが勘違いの第一歩なのである。

まず、再現性を語る時に何を再現しなければいけないのかが理解出来ていない場合が多い
再現すべきことは、営業としての考え方、そして、初動や作業と結果だけであることを認識しないといけない。
この場合の初動や作業を司るのがマニュアルである。

では、結果までの行動に関してはどうするのか?という疑問が出て来ると思う。
これは人によるのだ。
全く同じ人間というは地球上に存在しないので、同じ行動をしてしまうと同じ結果は出ない。
要するに行動だけ再現をしているが、結果には再現性がないということが起こるのだ。

これは誰もが経験したことがあるだろう。
同じことをしているはずなのに同じ結果が出ない。という経験はマネジメントする側にもされる側にもあるはずだ。
これを、努力が足りないだの、必死さが足りないだのという根性論や精神論で語り始めると、その営業組織は伸びないと断言できる。

では、何が必要かという話になる訳だが、答えはマネジメント能力が必要になってくるのである。

初動や作業に関しては知らないとどうしようもないので必要だが、結果に至る行動に関しては個性やスキル感などで変えなければいけない。
これを社員やメンバーと一緒に考えるのがマネージャーの仕事である。
それをした上で、結果が再現できるように導くのが再現性というものなのだ。
あくまで再現すべきは結果であり、行動ではない
これを間違えてしまった組織は結果も出ないし、離職率が高くなったり、ハラスメント行為が増えるなど、他にも悪影響が出る。

結果を再現するマネジメントとは?

まず、営業で言えば商材や業界などを細かく分析した上で、優位性がある部分と劣位性がある部分を共有しておくことは基本である。
どんな商材にもどちらもある。
優位性しかない商材は基本的にないと言っていいだろう。
あのiPhoneですら価格が高いという劣位性がある。

ここから営業としての考え方を定着させるので、以下は考え方の定着と並行していると思ってくれて良い。
最初はマニュアルを使ってのマネジメントをする。
その後、1 on 1などで営業方法をそれぞれと話をしながら決めていく。
もちろんいきなり正解が出ることなどほとんどないので、数カ月を掛けて何度も1 on 1などをしながら試行錯誤していく。
そして、ある程度型が決まったらそれを繰り返してブラッシュアップしていく訳だ。
ただ、それでも違和感があれば柔軟に型を変えることは許容した方が良い。

順番に書くとこうなる。

  1. 営業の考え方の定着(2.以下と同時並行)
  2. 商材や業界の分析及びその結果の共有
  3. マニュアルに沿ったマネジメント
  4. 個人の営業方法の決定
  5. 試行錯誤
  6. ブラッシュアップ
  7. 振り返り

簡単そうに見えるが、マネージャーの力量がかなり顕著に出るので役職者の選任は慎重に行うことをお勧めする。
考え方などは営業の基礎ともいえるので、マネージャーの力量に大きく左右されることになる。
選任に失敗するとマネジメントする側もされる側も不幸なことになる可能性が高い。
再現性の構築というのは言葉で言う程簡単なことではないということを覚えておいてもらいたい。

まとめ

再現性というと、どうしても経営者やマネージャーが細部まで指示を出してしまう。
しかし、これでは結果が出ないことが多い。
それは、上記したように同じ人間というのがいないからだ。
再現性のある行動をさせることで目的を達成できなくなる、という矛盾に満ちた行動を取っているマネジメント層は非常に多い

何の為に再現性を追求しているのかを今一度考えて欲しい。
最短であると同時に、継続的な結果を出す為にあるのが再現性の追求である
継続することは自分に合っていないと難しい。
合っていないことをすると、短い期間では結果が出るかも知れないが中長期は難しい。
今の日本では社員やメンバーを短期で入れ替えるのは難しいので、マネジメントは短期から中長期まで結果を出せるようなものでなくてはいけない。

字面に惑わされることなく、正しく再現性を構築して欲しい。