営業は自己流が最強!

こんにちは。
伊藤尚希です。

今回は、実は最強の営業は自己流である事実をお伝えしたいと思います。

営業パーソンがよくする間違い

良く見聞きする情報に『デキる人の真似をするのがデキるようになる近道』的なお話。
よく考えれば分かる話なのだが、これって実は間違えている。

なぜかというのを分かりやすく説明してみようと思う。

100人の個人がいて、100個の実が成るリンゴの木があるとする。
ある日、デキる人が発見する訳だ。
「熟れたリンゴは落ちて来るので、落ちて来たリンゴを取れば食べられる」という事実に。
それを皆は見聞きして「よし、自分も真似をすれば食べられるリンゴをゲットだぜ!」と思う訳だ。
この場合、100人で100個のリンゴを奪い合う。
中には、力が強い人、足が速い人、我慢強く落ちてくる瞬間まで待つ人、色々な人がいる。
力が強い人は人から奪うだろうし、足が速い人はいち早く自分の分を確保して逃げるだろうし、我慢強い人は他の人が見ていないタイミングでリンゴを拾うだろう。
当たり前だが自分の分を確保できない人も出て来るだろうし、確保できたとしてもそれなりの努力や苦労を伴う。
ただ、100人の中に、見てはいたが真似をしなかった1人がいた。
この1人はよく観察し、よく考える人だった。
そして気付く。
「赤くなってたら落ちて来なくても食えんじゃね?」ということに。
ある日、木に登って赤いリンゴを食べてみると、普通に食べることができた。

ある意味、他の99人もこの1人も個性を活かしてリンゴを確保しようとしているのは同じ。
しかし、99人は真似をしてしまったが為に競争をしなければならず、余計な労力を使うことになっている。
最後の1人は真似をせずに観察し、自分のやり方を考えることで競争を避けているが一番実入りを得ている。

営業も同じである。
真似をするということは過当競争に自ら入っていくということだ。

『デキる人の真似をすると過当競争に巻き込まる』というのが正しい。

営業パーソンの考え方とは

先述したように、真似をすることというのは実は間違えている訳だが「じゃあどうするの?」というのも疑問としては確かだと思う。
とすれば、どう考えればいいかというのも記しておく必要があるだろう。
先ほどのリンゴ争奪戦を例に出そう。

では、順番にやることを整理していこう。

①知る
他の人はどうやって食べられるリンゴを手にしているのかを知らなければ過当競争に巻き込まれる事すらできないので、まずは知識として皆がしていることを知ることが大切である。

②同じやり方で勝てるか考える
過当競争に巻き込まれたとしても、圧倒的に勝てるのであれば巻き込まれても困らない訳だ。
確かに実入りが100%になることはないだろうが、圧倒的であれば問題ない事もある。
ただ、ほとんどの場合は先行者利益が大きいので、どれだけ有利な個性を持っていても圧倒的に勝つのは無理だと思った方が良い。

③観察する
それが絶対のやり方なのかをとにかく観察する。
ほとんどの場合、人間なんて完璧ではないので絶対ではない。
今回の場合、リンゴが落ちて来る時はどういう状態なのかを観察すれば、落ちないといけない訳ではないと気付くだろう。

④アイデアを考え実行する
この場合、食べることのできるリンゴを『落ちて来る』以外の方法で考える訳だが、大切なのはアイデアを考えたら実行すること
天才でもなければアイデアが一発で当たる可能性など微々たるものだ。
ビジネスではPDCAなどというが、これもいらない。
とりあえず実行してみて、間違えていると思えば途中でやめてもいい。
複数回数やってみる方が圧倒的に有意義なので試してみて欲しい。
リンゴの場合、適当に考えても下記のアイデアがパッと出て来る。
・赤くなったものを木に登って取る。(先述した方法)
・種を取って誰にも気付かれない所で育てる。
・青いうちに取って調理してみる。
・青いリンゴが成っている枝を拝借して他に植えてみる。
・青いリンゴを取って追熟させてみる。
こうやって色々な方法を試してみると、いくつかが実現する可能性がある。
1つのアイデアに拘らずとも、複数を掛け合わせてみてもいい。
例えば、種を取って育て実るまでの間は木に登って取る。
そのうち真似をしてくる人もいるだろうから、複数アイデアを並行して走らせるのは大事だろう。

これが営業パーソンの本当の考え方だ。

営業は自己流が最強!

いかがだっただろうか?

営業パーソンが間違えていることと、本当の営業パーソンの考え方を見ていただければ、実は当たり前と思っていた行動が間違えていたことに気付いてもらえたのではないだろうか?

営業というのは、そもそも仲良くお手々を繋いでやるものではない。
競合他社よりも少しでもお客様の役に立ち、自分に関係する人達を少しでも幸せにする為に存在する。
この『少しでも』という姿勢は「真似をしていたらいいや」というスタンスからは生まれない。

先を見て自己研鑽を積んだ人だけが未来を良くしていける。
真似は停滞である。

自己流が最強である理由はここにある。